nowhere HAYAMA
葉山の対話 2023ー2025 24

葉山らしさとは、バランスと癒し
統合の時代のエッセンスが
詰まった土地だと感じます。

大野百合子さん Yuriko Ohno

「神様カード」の作者として知られ、
アカシック・リーディング、ヒプノセラピーなど
意識の深層につながる探求をつづける
〝スピリチュアルかあさん〟こと、大野百合子さん。
葉山にお住まいということは
ずいぶん前から耳にしていたけれども、
じっくりお話しできたのは、今回の対話が初めて。

いつも足を運んでいる森山神社の境内、
一色会館の一室を借りて
長い歴史のなかで育まれてきた
葉山という土地の力、神話とのつながりをたどりながら、

「葉山らしさって何?」
「ここで何を感じ、何を伝えていったらいいか?」
「失われた感覚をどう蘇らせるか?」

大きく変化していこうとする時代の風を感じながら、
話はゆっくりとコア(中心)につながっていった。

大野百合子
東京・国立生まれの神戸育ち。日本航空を経て、結婚。娘二人を育てる。 後に日本航空と筑波大学が共同開発した「生きがいのセミナー」で日本航空の社員教育に携わる。 1993年から心理学系、精神世界、ボディワークなどの通訳、翻訳を通して、自らも学びを深め、2003年から退行催眠を中心にした統合療法のセラピストとなる。 ​神秘家であり、哲学博士のゲリー・ボーネル氏に師事。2007年より古代の叡智(ノウイング)を通して、ボディ、マインド、スピリットの統合を目指し、心と身体と宇宙の仕組みを伝えている。 また、教派神道講師の資格を持ち、全国各地で「日本の神様カード・神託カード」を通し、古神道に伝わる神人合一の日本古来の叡智を伝えるワークショップ、催眠療法などのセミナーを開催。モットーは「お笑いはお祓い」。 著書として『日本の神様カード』(ヴィジョナリーカンパニー)、『神々の住まう場所からの33のメッセージ』(マガジンハウス)、『最強の言霊 大祓詞』『神社と龍神様で大開運』(徳間書店)など多数、訳書に『光の12日間アップデート版』(ゲーリー・ボーネル著 徳間書店)など。漫画『スピリチュアルかあさん』のモデルでもある。
http://www.ohnoyuriko.com/

収録:2025年3月12日 @葉山・一色会館
編集:
長沼敬憲 Takanori Naganuma
長沼恭子 Kyoco Naganuma
山川麻美 Mami Yamakawa
撮影:井島健至 Takeshi Ijima @葉山・一色会館

―― 百合子さんは、いつから葉山に暮らすようになったんですか?

百合子さん 55年前、うちの両親が関西から引っ越してきたのが葉山なんですね。当時はお店も、岡屋とスズキヤという2軒のよろずやさんだけでした。
 両親としばらく一緒に住んだあと、結婚して葉山を離れ、湘南の由比ヶ浜や金沢文庫で暮らしていました。
 その後、逗子に戻ってきた頃に父が亡くなり、母とともに住むために葉山に移りました。13年くらい前になりますが、それからはずっと葉山ですね。

―― ある意味、 葉山の歴史をずっと見てきたんですね。

百合子さん そうなんです。子どもが生まれた後はしょっちゅう預けに来たり、夏休みに泊まったりしていましたから、ど真ん中にいたわけじゃないですが、55年間ずっと見てきました。 だんだんオシャレになっていくなと思いながら(笑)。
 当時は、葉山から東京に通う交通の便が悪かったので、父が出勤する時に必ず母が逗子駅まで送り迎えするという約束で、葉山に土地を購入したそうです。いまにして、本当にいいところを見つけてくれたことを両親には感謝しています。

―― いい土地だなという感じは、その当時からあったんですか?

百合子さん 母はもともと横須賀生まれで三浦半島にご縁があって、私が子供のころには葉山に仲良しの親戚がいたんです。なので、当時は森戸海岸に泳ぎにきたり、そのおじさんのところに遊びに来たりしていました。大好きでしたね。
 母もわりと直感が鋭い人で、いろんな土地を見たけれど、最終的に「ここだ!」って思ったのがいま住んでいる場所なんです。

―― 実際に過ごしてみて感じることは?

百合子さん やっぱり気がいいなって思います。すごく軽やかなんです。新婚のときは由比ヶ浜に住んでいて、そこから金沢文庫、逗子、葉山に移ってきたんですが、気持ちとしてはどんどん軽やかになっていった感じがします。私の体感ですけれど、自分自身が開かれていった感じです。

―― 実際、トンネルを越えたあたりから雰囲気が変わりますよね。

百合子さん その雰囲気の「気」なんですよね。 自然がまだ十分に豊かだからでしょうか。

―― 葉山はもとは漁師町だったと思うんですけれど、御用邸が入って、別荘文化とかいろいろなものが重なって、この土地特有のエネルギーができていったんでしょうね。

百合子さん なぜ御用邸が葉山に建てられたか。建築にあたっては、気脈であったり、断層であったり、ありとあらゆる方面から調べて、ここが適地だと決めたんだと思うんです。那須もそうですけれど、もともと土地としてはすごくバランスの取れたところだったんでしょうね。

―― 55年前にはすでに御用邸はあったわけですが、まわりはもっと静かだったんですよね?

百合子さん 本当に静かでしたね。一色にある我が家のまわりには、米軍住宅もあってアメリカ軍の方が住んでいました。近くにはお店も何もなくて、2軒あったよろずやさんから「ご用聞き」が来たり、そんな時代でしたね。

―― やっぱり、ご用聞き文化があったんですね。

百合子さん だから、最初に京急ストアができたときは、画期的でした。いつできたか覚えてはないんですが、このあたりでいちばん古いと思います。当時、葉山マリーナ日影茶屋はありましたが、ラ・マレード・チャヤはなかった頃で……。

―― 40年前に移り住んだ真砂秀朗さんから、ヒッピーカルチャーの影響を受けた人たち80年代に移住し、「オアシス」のような海の家をつくったという話も聞きました。

百合子さん そういうこともあったかな。葉山にはもともとアーティスティックな人たち、かつては堀口大学のような文士たちが住んでいたり、そういうジャンルの人たちを惹きつける土地柄なのでしょう。いまもそうですけれど、ロハスのイメージだったり、自然回帰だったり……、その時代の新しいものを取り入れやすいところなのだと思います。

―― 過ごしやすい軽やかなエネルギーが、クリエイティブなものにフィットする感じがあります。

百合子さん 軽やかっていうのは、オープンで閉じてないっていうことだと思うんです。
 もともと神道も、何でもありなんですよね。森羅万象すべてに八百万の神々が存在して、私たち一人一人にも神様が宿っているわけですから、みんなOKだよっていう。
 ただ、「何を受け入れて、何を受け入れないか」という見えないスタンダードは、葉山町民の集合意識にあるのかなとは思います。「葉山には呼ばれないと来られない」って聞きますよね。

―― 聞きますね。お店もすぐ移り変わってしまうところと、ずっと続いていくところがありますし。

百合子さん この世界には波、バイブレーション、周波数というものがあると私は信じているので、良い悪いではなく、チューニングが合っている人はここに住めるし、合わない人はすぐに去っていく感じがしています。

Note.1

岡屋とスズキヤ
岡屋は、現在の「京急ストア」「元町ユニオン」の場所に2店舗あった。
現在、一色(御用邸近く)にあるスズキヤ(葉山店)は、もともと葉山消防署の場所に。ローカルな話題ですが(笑)。


トンネルを越えたあたり
逗子駅方面から県道311号線(山回りバス通り)を南下し、桜山隧道(桜山トンネル)を抜けると葉山町に入る。

葉山町の全体図


55年前にはすでに御用邸はあった
1894(明治27)年、大正天皇の療養を目的に葉山の一色(当時、葉山村)竣工。昭和天皇、平成上皇ともに、海洋生物の研究も兼ねて、繰り返し訪問されてきた。


京急ストア
https://www.keikyu-store.co.jp/list/143/
葉山マリーナ
https://hayamamarina.com
日影茶屋
https://hikage.chaya.co.jp
ラ・マレード・チャヤ
https://patisseries.chaya.co.jp
海の家「OSSIS」
https://www.instagram.com/oasis_jahnodebeach/真砂秀朗さん
https://nowhere-japan.com/hayama/articles/023/


堀口大学
詩人、訳詩家。1892〜1981年。1950年から亡くなるまで葉山町堀内で過ごした。


―― ここは森山神社の境内ですけど、堀内には森戸神社もあって、それぞれ別の神様が祀られていますよね?

百合子さん じつは私自身のご縁のある神様が事代主さん、つまり、恵比寿さんなんですよね。
 だから、まったく知らずに森戸神社にお参りしたら、御祭神が大山祇さんと事代主さんだったので「またか!」って。
 関西にいたときは、恵比寿さんを祀っている西宮神社の隣に住んでいたんです。目の前が西宮神社の森で、この森のフクロウの声を聞きながら寝ていたという(笑)。
 (恵比寿さんにゆかりのある)出雲大社美保神社もすごく好きなので、そういう意味でもここは私にぴったりの周波数だと思っています。森戸さんに行くと、パワフルで温かいエネルギーをすごく感じますよね。

―― パワフルな感じもありますか。

百合子さん はい、森戸さんには強いエネルギーラインが通っているのを感じます。
 七瀬祓いという古代の禊場があるのですが、森戸さんはその一つで、(境内の入口近くの)みそぎ橋がある場所は、はるか昔から禊ぎが行われてきたと言われています。
 そこは汽水と呼ばれる、川と海とが混じり合うところで、祓戸の大神の四つの柱の一つである速秋津比売様が罪けがれを飲み込んでくださる場所でもあるんです。
 潮が満ちる時には、海のほうから流れが川上にむかって遡っていきます。陰と陽のエネルギーのちょうど境目でもあり、すばらしい浄化のエネルギーを感じます。私は本殿の横から、この川を見るのが大好きなんです。
 また、本殿の裏の岩山に登っていくと飛柏槇があって、そこからも汽水域が眺めることができて……。
 
―― 飛柏槇?

百合子さん 木の名前です。(神社を勧請した)源頼朝を慕って、相模湾の向こうの三島大社から柏槇が飛んできたっていういわれがあって、その場所もパワフルで、大好きです。
 境内には、龍神様の遥拝所もできましたよね。龍神は海神様で、こちらは龍のエネルギーです。いろいろなエネルギーが集まる森戸さんは、本当にすばらしいところです。

―― 龍のエネルギーはどうとらえたらいいですか?

百合子さん 龍は動くエネルギーですね。私は、流れているエネルギーはすべて龍だと思います。
 だから、川もよく龍と言われますし、特に日本では水神様と同一視されていて、「古事記」のヤマタノオロチは、じつは川の氾濫だったという説もあるぐらいです。 森戸神社の沖合には菜島(名島)が見えますけど、あそこには赤い鳥居があって、そこからの龍の気がまっすぐに流れてきています。

―― 参拝して、そういう動くエネルギーとつながることにどんな意味があるんでしょうか?

百合子さん 川の水も滞ると濁ります。私たちの体を流れる気もおなじように、ちょっと我慢したり、自己否定したりすると、淀んでしまうわけです。
 整えられた神社に行くと何かスキッとしませんか? クリアでパワフルな気の流れを受けることで、自分のなかの滞ったエネルギーが、生き生きと流れはじめるんです。

―― 神社で手を合わせるだけでも、何か違いますよね。

百合子さん たとえば、右手が陽で、左手が陰だとしたら、合わせるだけで陰陽の統合になるわけです。(手を動かしながら)これはムドラという印です。

―― この段階で循環は起きる?

百合子さん そうです。意識すれば気の循環はいつでも起きるんだけれど、気づかないうちに自然に印を組んでいることも結構あるんですよ。 (また手を動かしながら)このムドラはヨニ・ムドラと言って、女性器の形と言われているのですが、この印を組むことで、私たちの内へエネルギーがどんどん入ってくるんですね。

―― そういう作法や型があって、無意識のうちに組んでいることもあるんですね。

百合子さん 体は知っているんですよ。だから、手を合わせるだけで、気が物理的に体に流れる。気が変わると血流も変わるし、リンパも整ってくるということだと思います。

―― 気持ちだけじゃなく、生理的にも変容がある。

百合子さん 人間の三位一体の考え方からすると、ムドラは物理的な身体、呼吸は気持ちを司る心、マントラや祝詞などは脳が司る意識にエネルギーが伝わるんです。
 私、「ダンゴ三兄弟」という言い方を気に入って使っているんですけれど、丹田ってあるでしょう?
 下丹田は肉体、中丹田は心、上丹田は頭。この3つダンゴがあって、そこに一本の串が中心軸として通っていて、それがクンダリーニであり、天の御柱だと思っています。三つの団子が響き合いながら楽しいハーモニーを奏でていたら最高!

―― いいですね、ダンゴ三兄弟(笑)。

百合子さん これからもっと使っていこう!っと(笑)。ここにつながっていけば、運気が開くわけです。

―― そのことを知ったうえで手を合わせると、だいぶ意味が変わってきますね。

百合子さん 全然違うと思います。もちろん、ただ心から感謝するだけでも気は流れますし、結局、健康=ウェルネスにつながると思っています。私は葉山のキーワードって、「バランスと癒し」だと思っているんですよね。

―― バランスと癒し。

百合子さん たとえば、電気街だったら秋葉原を思い浮かべるみたいに、葉山と言ったらバランスと癒しだよね、みたいな。いま、癒しの街ってあまりないじゃないですか。
 ここは海と山が出会っていたり、川と海が出会っていたり、バランスが取れる場所だなって。統合と言うと難しいけれど、バランスと言うとわかりやすい。
 本来、そういう大地なのだとつくづく感じています。

Note.2

森戸神社
正式名称は「森戸大明神。葉山の総鎮守として約840年の歴史を持つ。主祭神は、大山祇命、事代主命。


森戸神社の御祭神〜「日本の神様カード」より
大山祗命 (オオヤマツミノカミ)
海上交通の安全を司る「海の守り神」であると同時に、「山の総元締め」として海と山をつなぐ。大山津見神ともいう。

事代主神(コトシロヌシノカミ)
恵比寿様の名で親しまれ、商売繁盛と福徳、漁業の繁栄を司る。大山祇命とともに、源頼朝によって三嶋大社から勧請された。


出雲大社 https://izumooyashiro.or.jp
美保神社 http://mihojinja.or.jp
出雲大社の主祭神は大国主(オオクニヌシ)、美保神社は、その息子にあたる事代主(恵比寿様)を祀っている。


七瀬祓い
七つの瀬(主要な河川の合流点・河口)で行われた禊の儀式。鎌倉時代には、森戸のほか、由比ヶ浜、固瀬(片瀬)、六浦、和賀江、稲村ヶ崎、腰越は七瀬に数えられた。


速秋津比売
はやあきつひめ。祓戸四神の一柱で、川から流れてきた罪・穢れを河口で飲み込む水の神様。


森戸神社周辺図
龍神様の遥拝所
みそぎ橋
飛柏槇(ひびゃくしん)


「古事記」のヤマタノオロチ
スサノオノミコトが出雲で八つの頭と尾を持つ八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治したとされる。

クシナダヒメを救い、オロチの尾から「草薙剣(天叢雲剣)」を発見したとされる。

スサノオノミコト


ムドラという印
ウッタラボーディ・ムドラ(悟り・智慧にめざめる)
ヨニ・ムドラ(内なるリズムに同調)


丹田
お腹の一帯(へそから指3本分ほど下)にある、生命エネルギーの集まる場所。

3つのダンゴ?〜丹田と心身のつながり

3つの丹田のうち、肉体のエネルギーと深くつながっているのが下丹田。肉体の中心は「腹」にあたり、動作の起点であると同時に、意識の深い領域(=本心、本音)とつながっている。


―― 森戸神社のお話が続きましたが、ここ(森山神社)はまた雰囲気が違っていますよね?

百合子さん ちょっとマジカルな感じで、ゾクゾクしますね。歴史が古い分、神秘的なエネルギーがとても深いと思います。
 それにご神事もすごいですよね。滝の坂不動で水を汲んできて、その濁り具合で吉凶を占う「世計り神事」であったり、小坪の天王社(須賀神社)から、33年に一度、素戔嗚尊が奇稲田姫命に会いにくる「行合祭」であったり……。

―― すごいことを続けていますよね。

百合子さん 行合祭が前回行われたとき、「次は私生きているかな?」とか思っていましたが、もう近々(2028年に)ありますよね(笑)。次元を超えている御神事だと思うし、何と言っても「古事記」のスサノオさん、クシナダさんです。
 クシナダヒメ様が単体でお祀りされているところはあまりないと思いますし、すごい神社ですよね。

―― クシナダヒメにはどんなエネルギーがありますか?

百合子さん クシナダヒメはスサノオをサポートしていたのですけれど、私はクシナダヒメそのものに、男性的な大きくて力強いエネルギーを感じるんですよね。
 そして、すごく賢いです。叡智ですね。だから、私にとってクシナダヒメは、優しくてふわっと包み込む感じじゃないんですよ。 シャープな叡智で、男性っぽいジャンヌダルクのようなイメージ。スサノオを新しく生み出した存在です。

―― この森山神社の隣には、真言宗の玉蔵院がありますよね? 

百合子さん 神仏習合といいますが、もとは修験という形で仏教も神道も混じり合っていたんです。
 私は神道は陽のエネルギー、仏教は陰のエネルギーととらえていて、修験道が陰陽統合するのが日本の宗教の本来のありようだと思っています。いま日本全国で、昔の廃仏毀釈の時に壊されたり隠されていた仏像が再び現れてきていますし、これからまた融合が進んでいくでしょう。

―― 陰陽の統合がいまの時代のテーマかもしれないですね。

百合子さん いま、まさに古代の叡智が伝える「時代の大きな切り替わり」の時期で、分離から統合、二つのものが一つになっていく時なんですね。
 そう思って社会を見ると、物理次元にもそれが反映されているのを感じます。たとえば、バラバラだった会社や銀行が統合されていったり、男性性、女性性に関しても、いまは男性、女性、無回答の三択になっているみたいに。

―― Xみたいなのが出てきていますね。

百合子さん まさに男と女という二元的な文化から、一つの、ただ在る存在という形で統合されていくのが「今」だというのが、私自身の感覚です。
 人間存在というのは、大きく魂と肉体という二つのエネルギーに分かれていて、魂は陽で、肉体は陰です。陰と陽の統合のこの時期、私たちも魂と肉体が一つになっていく。無理やりではなく、だんだん統合されていく時期なのだと思いますね。

―― これまで魂と肉体が分断されていたんですね。

百合子さん 魂と肉体では目的がそれぞれ違うので、葛藤を起こしていたのですが、いまは内側と外側、考えていることと感じていることが一つになってきています。
 頭では「この人は嫌いだけどニコニコしなければ」と考え、「でもニコニコするのは嫌」って感じている時、頭と体がバラバラになっていますよね。
 でも統合が進むと、そういうことが自然とできなくなっていく。だんだん、気持ちに嘘がつけなくなって、考えと気持ちと行動が一致していく時代が始まっているんです。

―― 葉山に住んでいると、仕事と仕事以外の領域の区分けもあまりできない気がしてきます(笑)。

百合子さん それがまさに自然のありようなのかな。いま、葉山でお米や野菜をつくっている方もいっぱいいますが、それが仕事かって言ったら仕事じゃない。楽しみながら生活するっていうことができている方が増えてきている気がしますよね。
 バラバラだったものが徐々につながってきて、だんだん本来の一(いち)なるかたちに戻りつつある……。

Note.3

森山神社
749年創建と伝えられる、葉山最古の神社。スサノオの妻神として知られるクシナダヒメは、ここでは農耕(=稲田)にまつわる神として祀られてきた。
森山神社周辺図

世計り神事(よはかりしんじ)
森山神社の例祭で行われる古い神事。前年、滝の坂の吾妻社からお水取りをし、神殿内に納めた壷を取り出して開くことで天候や収穫を占う。
https://www.moriyamasha.jp/reitaisai/yohakari

行合祭(ゆきあいさい)
33年ごとに行なわれる特殊な神事。逗子市小坪の天王社(須賀神社)から、祭神スサノオノミコトが妻神であるクシナダヒメを祀る森山神社へ渡られ、数日滞在されるという。次回の行合祭は2028(令和10)年に予定されている。
https://www.moriyamasha.jp/yukiaisai/

玉蔵院
森山神社と同様、奈良時代創建と伝えられる、葉山最古の寺院。https://gyokuzoin.com


修験道
日本古来の山岳信仰をベースに、仏教(密教)、神道、道教などが融合して成立。とりわけ密教(真言宗)は、修験道の影響を強く受けている。

葉山を含めた三浦半島一円は、古来、修験道の行場として知られ、葉山にも玉蔵院、長雲寺、仙光院など真言宗の寺院が多い。


―― 統合の意味がだんだんイメージできてきました。

百合子さん 私はワークショップでよく「セルフマンダラ」を描いてもらうんですが……、円グラフのように丸い円のなかに、たとえばお母さんの自分、仕事場の自分、ピアノを弾いている自分などを描き入れて、どれくらい「自分の顔」があるのか、どこに重きを置いているのかを見ていくんです。
 それで、いまは会社に行くときは会社の自分、家庭にいるときは家庭の自分という感じに、それぞれの自分を別々にやっているけれども、じつは円の真ん中には核である本当の自分がいて、そこから放射状にいろいろな自分が表現されている。
 つまり、仮面をつけず、どこにいても自然体の自分で何も変わらない。いまはそういう自分に移行していく時期なのだと思います。 もちろん、会社に行くときは会社での言葉使いや振る舞いがあるので、すべて一緒という意味ではありませんが、統合という状態に対して、まずそんなモデルを思い浮かべますね。

―― コアとなる自分がちゃんと受け止められていれば、逆にどんな自分にもなれるのかも。

百合子さん そのためには、言葉や行動が、真ん中にある自分から本当に発生したものなのか? 幼い頃にプログラミングされたものを、ただ繰り返しやっているだけなのか? 「自分が自分を知る」ことが、大切な第一歩だと思っています。

―― 百合子さんのお仕事の大事なテーマにつながりそうですね。

百合子さん 真ん中の自分の概念は「分け御霊」に通じています。「自分のなかに天照様と同じ炎が燃えている」ということに気づくことが本当に大事ですから。

―― 自分の大元がさらに大元に……。

百合子さん このもともと持っている分け御霊は、命とか魂とか呼ばれるもので、それがこの地球で生まれた肉体と完全に一つになっているか、ということですね。

―― 生まれた後に教育とかいろいろなものが加わって、分け御霊につながりにくくなっているんでしょうね。

百合子さん そういうことだと思います。よく「5歳ごろまでに性格の鋳型が全部決まってしまうよ」って言いますね。
 まだ脳の前頭葉が十分に発達していないとき、「お母さんが笑ったから、これをしていいんだ」「怒ったから、これはしちゃいけないんだ」などという思い込みが生まれると、プログラムが解除されないまま60歳になっても、同じ反射反応のパターンが続いてしまいます。たとえそれが非常に理不尽なものであってもです。

―― 何かきっかけがあって気づけば解除はできる?

百合子さん 「ああこのパターンがあるんだ」と気づけば取り除けます。だから、一番大事なのは自分で気づくことなんです。

―― 気づくのに何が必要なんでしょうか?

百合子さん まずは自分をよく知ろうとする意図が大事です。無意識のパターンに気づこうと意識的になること。
 それから、最近シンガポールに行ってきたのですが、日本人という集合意識の外に出るといろいろ気がつきますよね。
 住んでいる町にも集合意識があるから、そこから出るということが、自分に気づく良いきっかけにもなります。
 他の土地から葉山に来ていただいて「ああ、こんなにゆるんでいいんだ」と感じたり。

―― その土地に馴染むと、体も心もだんだん変化していきますね。

百合子さん ワークショップに行かなくても、瞑想をしなくても、「葉山に遊びに来ればなんかいいな、なんか変わったよ」というふうになればいいですよね。

―― 葉山はそういうところだって思う人が増えたらいいかも。

百合子さん それが理想かな。できれば、古い意識の枠から飛び出たような楽しいグッズが売っている店があったり、特別なクッキーが食べられたり。まず、そういうものを目指してやって来るのでも、いいと思うんです。

―― それがきっかけになりますよね。

百合子さん 「こうでなければならない」って、押し付けないことが大事だと思います。
 シンガポールは面白かったし、経済的にも大成功している国で、淡路島くらいの大きさのなかに3つの宗教、3つの人種がたがいを尊重しながら平和にやっているんです。ただ、それを保つために罰則がすごく厳しい。
 たとえば、チューインガムを噛んじゃいけない、持っていてもいけない。公共の乗り物のなかで水を飲んじゃいけない……、違反すると罰金がかかるから、みんなやらない。
 これって小さい国だからできるんだろうけど、本来のありようとしてはちょっと違うかもしれないです。
 それから、暑い国なのにゴキブリとか蚊がいないんです。どうしてかというと、毎週一回、木曜日に殺虫剤を撒くんです。その時は家のまわりが煙に包まれる。

―― すごいですね。それって大丈夫なんですかね?

百合子さん その殺虫剤がどういうものか知らないんですけど、そうやってある程度強権的なルールがあるから、安全できれいな町がつくれているんでしょう。
 ただ、日本はちょっと違うなと思いますよね。

Note.4

天照大御神(アマテラスオオミカミ)


分け御霊
神道では、人は万物の根源にあるエネルギー=神の働きを宿した分身=分け御霊であるととらえている。

ここでは、万物を照らす太陽のエネルギー=天照大神と重ね合わせている。



葉山・一色会館にて
https://www.moriyamasha.jp/isshiki-kaikan/


3つの宗教、3つの人種
仏教: 31%
キリスト教: 19%
スラム教: 15.6%

中華系(チャイニーズ): 74%
マレー系(マレイ): 13.5%
インド系(インディアン): 9%


―― 日本という国については、どんなイメージをお持ちですか?

百合子さん 私は神道を勉強しているので、「おかげさま」のエネルギーであったり、お正月に神社行ったり、お寺行ったりすることが普通で、特定の宗教がない方でも「八百万の神々」とか「和」とかハーモニーという概念をみんな体で知っていたり、そこは日本人のすごいところだと思います。
 ただ「出る杭は打たれる」じゃないけれど、世間という架空のもの、いわゆる世間体のなかに自分を閉じ込めているところは、ちょっと問題かなと感じます。

―― 世間に自分を閉じ込めている。

百合子さん それも良し悪しで、悪い面をどこまで自覚できているかだと思います。日本人は和を尊重しながら、他者と健康的な境界線を持っている面もあって、「本当は全部つながっている」という感覚がありつつ、同時にここまでは「私」というバウンダリー(境界)を持っていますよね。
 内と外のバランスを保ちながらネットワークをつくっていくことが、本来、日本人はできるのだと思います。

―― たしかに、そうしたバランスが大事ですね。

百合子さん 自分はもともと何かとつながっている、八百万の神々を知っている、全部が神聖だという感覚がありながら、ヒンドゥー教みたいに現実世界、肉体を否定もしない。
 そういうバランスをきちっと保てるようになれれば、「日本人、すごい」っていうことになりますよ。

―― そのバウンダリーは、肉体という範囲よりももう少し広いように感じました。

百合子さん 量子力学が発達したことで、物質にはすき間のほうが多いといいますよね。 そのすき間も自分であるとすると、相手もすき間だらけで、机もすき間だらけ、すき間が自分なら、机もみんな全部が自分じゃないかって思っています。
 ただ、全部が自分だからといって、相手が悲しんでいるときに、そのまま自分の悲しみとしてとらえてしまうことはとてもつらく、あまりヘルシーじゃない。
 だから、これは相手に属していて、これは自分に属しているというバウンダリーは必要、でも、同時にみんなつながっていることも体感しつつです。

―― 個がありながら、同時に全体を感じる。

百合子さん 私の師であるゲリー・ボーネルさんも言っているんですが、「ダブル・アテンション」っていう言葉があるんです。すべてつながっているけど、自分という個があるという……。

Note.5

日本という国について


ゲリー・ボーネル
アカシックリーダー、心理学者、哲学博士、催眠療法家。
https://theknowingway.jp


ダブル・アテンション
現実に意識を向けたまま、同時に深層や集合意識にも注意を開いている状態。目を覚ましたまま、もう一つの層にも耳を澄ませている。


―― 分断と統合みたいに切り離すのではなく、同時に感じられている状態なんですね。

百合子さん そう。例えて言うと、自分の内側と外側にスクリーンがあって、外側のスクリーンでは、私がここでお話しさせていただいているけれども、内側のスクリーンで「今晩のおかずは……」なんて考えているでしょう?(笑)
 ただ、それだと内と外がバラバラじゃないですか。 本当に必要なのは、この両方のスクリーンを見ることのできる場所、中心があるという考え方。それは心身のウェルネス、健康にとってもすごくいい影響があります。

―― スクリーンから離れたところに、自分の中心を置くということですね。この感覚がつかめると、たしかに健康のとらえ方も、ちょっと変わってくるかも。

百合子さん そうですね。話題になっている「タフティー・ザ・プリーステス」という本があるんですが、ここに書かれていることも参考になるかもしれません。

―― 肉体だけでもなく心だけでも頭だけでもない、もう少し包括的に感じられる視点が必要なんでしょうね。

百合子さん 結局、病気は情報だと思っているんです。人間はどうしてもDNA的に弱いところがあって、ストレスが溜まるとそこに病気として顕現していく。

―― それもスクリーンの一つというか、取り込まれず、中心からちょっと引いた目でとらえたらいい?

百合子さん そうですね。私の感覚では、すごくショックを受けることがあったりすると、その影響が2、3年くらいかけて実際に肉体に現れてくるように感じています。何らかの形で発散できるのに、ずっと我慢したり溜め込んでいると爆発しちゃう。

―― 爆発しないようにするには?

百合子さん 人間の体は、水道管ゲームだと思っていて。「ああ、ここが詰まっている、滞っている」と気になる場所を意識するだけでも、流れは取り戻せるんです。意図したところに気は流れていくので、いま手がすごく冷たかったとしても、その指先に意識を向けたらそれだけで温かくなってきますよ。

―― 思っている以上に意識が大事そうですね。

百合子さん 極端な話、私たちのDNAは進化の過程を全部たどっているから、たとえばそのなかにはトカゲのDNAもあるわけです。だから、自分が完全に信じて気を流せれば、指が生えてくることだって可能なのかもしれません。
 絶対ありえないと思うことでも、私はいろいろと不思議な体験をすることもあって、何でもありだなって感じています。

―― いろいろなことを試しているのに上手くいかない人も、意識がすごく影響しているのかな。

百合子さん きっぱりそうです!(笑)。無意識も含めた意識が自分の現実をつくりだしています。
 でも、無意識は無意識なだけに、なかなか自分ではわからないのが問題。また、変化はどんな変化もストレスなので、どこか根本では変わりたくないと思っていることも確かです。私も人のことは言えないです。痩せたいと思っていてもなかなか痩せない(笑)。

Note.6

タフティー・ザ・プリーステス
「タフティ・ザ・プリーステスー世界が変わる現実創造のメソッド」
(ヴァジム・ゼランド:著 成瀬まゆみ:監修  モリモト七海:訳)
https://www.sbcr.jp/product/4815623159/


―― 百合子さんというと「神様カード」が思い浮かぶんですが、ここにはどんな思いを込めているんですか?

百合子さん 神道ではアメノミナカヌシが創造主にあたりますよね? まず、自分の内側にはこのアメノミナカヌシとまったく同じエネルギーがあるんだということを知る……、創造主の分御魂が自分に宿っていることを伝えたいんです。
 かといって、個としての私という存在には限界があるから、大事なのは共同創造、コ・クリエーションなんですね。

―― 人と神々でコ・クリエーション?

百合子さん そう。目には見えないだけで、すべてに創造原理は働いているわけで、たとえば花が咲くのも精霊たちが手伝っているんですよ。こうした目に見えない存在も含めて、みんなが協力がないと花も咲かないのです。

―― 森羅万象のつながりは目に見えないもので支えられている。

百合子さん だから、そこのところをいつも意識して、目に見えない神々はすぐ隣の次元にいると感じます。
 次元というのは、一つの部屋と考えればいいのですが、いまその部屋と部屋との境目がすごく薄くなってきているので、協力してもらいやすいんです。
 だから、自分のヴィジョンさえ明確に設定するなら、必要なエネルギーの詰まりや滞りも流れやすくなるし、まわりの目に見えない存在たちも応援してくれるようになる。神様が最高のサポーターになってくれるんです。
―― 神様が応援するというと特別なことのように感じますが、もっと普通のことなんですかね?

百合子さん (ハートのあたりを指しながら)私たちのここに天照様がいるわけだから、その天照様が「こうする」って言ったら、みんな応援してくれます。

―― カードを引いて、その時々の神様と出会うことで、なんだか背中を押してもらえそうですね。

百合子さん そうですね。ヒーリングが得意な神様だったら、やはり癒される感じがするし、そういう神社の神様のエネルギー自体も、おなじように感じるでしょう。
 こうしたエネルギーは、お参りする人たちの意識によって成長していくものでもあるんです。みんながお祈りして、感謝したら、どんどんパワーアップしていきます。

―― ここも共創、コクリエーションなんですね。

百合子さん だから、信じる気持ちが一番大事だと思いますね。「ここに来たらすごいことが起きる」と思ったら、やっぱり起きるんですよ。自分を信じ、世界を信じるということがいちばん難しいことでもあるんですけど。

―― 「もっと信じていいんだろうな」と思うときはよくあります。

百合子さん スピリチュアルの世界では、「自分が見えている世界は、すべて自分自身がつくっている」といいますけど、本当にそうだなって感じますね。
 「こんなことが起きるかもしれないから、ちょっと用心しよう」と思ったら、それが起きてしまう。でも、「もう絶対大丈夫」と思ったら、それは起きない。私自身、大丈夫と思ったことは、いままで何も起きてないんですよね。

―― 仮にネガティブなことが起きたとしたら?

百合子さん そうだとしても、「すべて起きることがベストだ」と私には信じられます。
 たとえば、ちょっと嫌な出来事があったとしても、「それは自分をより深く知るためのどのような理解をもたらしてくれるのか」と思えるかどうか、そこは揺るぎないなって感じますね。

Note.7

日本の神様カード
日本の神話(古事記)の神々と人をつなげる49枚のカード。
「神話の神々をどうしたら身近に感じられるか?」「生きていくうえで神々のサポートをどう受けられるか?」を意図して描かれている。
http://nihonnokamisama.visionary-c.com


アメノミナカヌシ
天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)。天地開闢の最初に現れた、日本の神話における根源の神。


瞑想したら、本来の自分と簡単につながれます。

ポイントは脳波を下げることです。
瞑想しようとすると難しく感じられますが、

海岸でただ風を感じて
肺を全部使った腹式呼吸をするとか、
プラーナヤマと言われる比率呼吸を行いながら、
マントラを唱えるなど、
脳波が下がることやるといいと思います。

気功など動く瞑想もおすすめです。


―― なるほど。体験をどうつなげるかということなんですね。

百合子さん おっしゃる通りで、結局は「いま起きていることをどう見るか?」ということなんです。

―― 変なこじつけではなく、自分が納得できるかどうか。腑に落ちれば意味が変わるんでしょう。

百合子さん この「腑に落ちる」って、いい言葉ですよね。腑に落とすは、腹に落とす。現実が変わるのは、腹に落とした時なんですね。この3つの団子のうちここ(頭)だけでも、ここ(ハート)だけでもダメで、ここ(腹)までストンって落ちてきた時、3次元世界が変わるんだと思います。

―― 腑に落ちるための秘訣ってありますか?

百合子さん 感じていることと考えていることと行動を、つねに一致させるように意識することかしら。そして、やはり身感覚につねに意識を向けておくことですね。
 いまだったら、座っている自分のお尻の感覚とか、カップを手に持ったときの感覚とか……。そうすると身体的に腹に落ちるという感覚がつかみやすくなると思います。
 あとは、腑に落ちるというよりは自分の全体性とつながるために、こんな方法もあります。 
 脳の中心に、松果体にも関連する「第三脳室」という一番静かな場所、気が動かない場所があるんです。
 ここを部屋に見立て、その部屋に居心地のいい椅子があって、そこから第三の目のスクリーンを通して外を見ているというイメージ……、じつはそこがさっき話した内と外の両方を見通す場所です。
 心が不安定になったり、カーッとなった時に、ふっとそこに入ることが大事なんですね。

―― それが、落ち着くことにつながるんですね。

百合子さん はい、私の胸―ハートには湖があって、「その湖の表面が静かかどうか?」で、いつも自分の心の状態をチェックします。いま、湖の表面は波立っているのか? もうウユニ湖みたいにピタッとしているのか?

―― なるほど。ここに腹はどう関係してくるんですか?

百合子さん その状態で、いま腹で何を感じているか? 自分が悲しいのか? 嬉しいのか? 問うてみるんです。それで頭と腹がつながってくると思います。

―― 頭に部屋、胸には湖、ちなみに腹には何があるんでしょう?

百合子さん それ、いま初めて聞かれました(笑)。腹には何があるか? いまやわらかいマリみたいなものが、急にブワッと浮かびました。それがしぼんでいるのか? 膨らんでいるのか?
 それは気持ちが良いとフワッとしていて、緊張していたらギュッとなっている、そんな感じですね。

―― ボールと湖と、部屋で3点セットですね。

きょん2 三種の神器だったら、頭が鏡で腹が玉……。

百合子さん 面白い。(ハートを指しながら)ここが剣なんだ。 心を開くというより、「目の前にある壁を真理で切り開く」ようなイメージかもしれないです。剣は真理のシンボルだから。

―― いろんなものがつながってきたような感じがします。個人として思っていることと、葉山という土地のなかで感じていること、こうやってお会いして感じていることが、それこそ融合してきているような気がします。

百合子さん そう思っていただければ、すごく嬉しいです。好き勝手にしゃべっているだけですけど(笑)。

Note.8

腑に落ちる
頭で理解したことが心(感情)を通り、腹に定まることで、行動や現実の変化につながった状態



①松果体
第三脳室の後方にあり、睡眠ホルモンであるメラトニンの生成に関わっている。
②第三脳室
脳の中心部にある隙間のような空間。脳脊髄液に満たされている。


ウユニ湖
南米ボリビアにある世界最大の塩湖。雨季になると、空や雲を湖面に映し出す「天空の鏡」が現れる。

(ハートにある)湖の表面は波立っているのか? ウユニ湖みたいにピタッとしているのか?


三種の神器
歴代天皇に伝わる3種の宝物の総称。
・八咫鏡(やたのかがみ)
・八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)
・草薙剣(くさなぎのつるぎ)


―― 葉山の30人の方と対話し、エッセンスが重なってきたなかで、いま、百合子さんと集合意識につながる話ができたは、すごく意味があるなって思いました。

百合子さん 集合意識に影響するのは、全体の16パーセントだとおっしゃっていましたよね? やはりその個が活性化していけば、変化はどんどん広がってきます。

―― イノベーターという言い方がいいかわからないですけれど、そういう人がどこの場所にも一握りはいるように思います。その細胞が活性化すれば、まずはまわりに影響が出ますね。

百合子さん そうですね。一人一人もそうですが、その30人の方のまわりにもそれぞれまた家族がいたり、仲間がいたりするので、そこからまたどんどん連鎖して、まさにフラワー・オブ・ライフみたいに調和していくんでしょうね。
 フラワー・オブ・ライフのビジョンというのは、葉山には本当にぴったりですね。私もこのお仲間につなげていただいたわけで、ここからが楽しみですね。

きょん2 百合子さんって葉山よりもっとグローバルなイメージがちょっとあったから、ホームページに「in Hayama」って書いてあって、ちょっとびっくりしました。

百合子さん 「葉山統合研究所」が私のもともとの会社の名前で、2003年だったと思いますが、そこで催眠療法をはじめたんです。いまは「アイユニティ」と改称したのですが、最初は葉山を全面に出していました。

―― 今回、葉山に根付いている方が対象だったので、その視点から対話をお願いしたら……。

百合子さん 私が一番古かった(笑)。

―― 正直、そんなに葉山にご縁が深いとは思っていませんでした。

井島さん ひとつ伺いたいんですが、催眠療法、ヒプノセラピーでは、過去生が出てくることがありますよね?

百合子さん 催眠によって脳波が下がってくると、人は潜在意識とつながっていくんです。そこではいろんな場所につながれる……、それこそ過去にも未来にも行けるし、隣の次元にも行ける。疑り深かった私も、いろいろな体験を重ねることで、いまは過去生というものを本当に信じています。
 たとえば、過去生で何かトラウマになる出来事があって、今世にそれを持ち越している場合、何らかのトリガーによって過去生とこの人生がつながって一緒になっちゃう。

―― つながると何が起こるんですか?

百合子さん わけもなく何かが怖くるとか。高所恐怖症などがいい例ですが、過去生で高いところから転落して亡くなった場合、今世で滑り台から落ちたことがトリガーになるんです。そうなると、原因である過去生のトラウマを顕在意識へ上げないと、何をやっても恐れがとれないんですね。
 逆に、過去性が原因だったと知って、その時の思いが手放せると、一瞬で症状がなくなることもあります。べつに過去生を信じてなくてもいいんです。だって、過去生が原因であってもなくても、いまが楽ならいいでしょう?

―― 過去生にフォーカスすることにどんな意味がある?

百合子さん 生きていたら、「なんでこんな目に遭うんだ」って理不尽に思うこともあるかもしれません。
 でも、私たちが存在する世界が今世だけでなかったとしたら、いま起きていることの意味も違ってくると思うんですね。転生を繰り返しながらいろいろな体験をし、全体でバランスをとっているんだととらえられますから。
 なかには、過去でやり残してきたことを、夏休みの宿題を8月31日にやるみたいに、この人生で向き合っている人たちもいて、ちょっとしんどいだろうなとは思いますが……。特に直前の過去生でやり残したことを、この人生の前半で体験しようとすることも多くて、そうなると子供時代の体験が厳しくなります。

―― ああ、まとめてどかっと。

百合子さん そうなるとしんどいですが、それを全部クリアしちゃったら、あとは本当に楽になるんですよ。

―― 本来の生き方ができるようになるという感じですかね。

百合子さん それが一番手っ取り早いと思うんですけれど、いまの時代、統合に向かうエネルギーが半端なく来ているから、まとめてどかっを体験をする人が多いかもしれません。

―― つらいと感じたとき、何を心がけたらいいでしょう?

百合子さん 魂の次元で見ると、過去から未来に向かっていく直線的な時間は存在しないので、そこには「もうすでに統合されている自分」もいるんです。
 だから、「自分のここが嫌だから、その原因を探って手放そう」というふうに難しく考えなくても、「すでに目覚めている自分がいる」ことを理解して、目覚め、すべてとつながっている自分を感じることです。先ほどの第三脳室を意識しながら、ゆっくり腹式呼吸をしてみましょう。

きょん2 カウンセリング的にアプローチしなくてもいい?

百合子さん そう。もっとシンプルに、瞑想したら本来の自分と簡単につながれます。
 ポイントは脳波を下げることです。瞑想しようとすると難しく感じられますが、海岸でただ風を感じて肺を全部使った腹式呼吸をするとか、プラーナヤマと言われる比率呼吸を行いながら、マントラを唱えるなど、脳波が下がることやるといいと思います。気功など動く瞑想もおすすめです。

―― そのあたりは、今日のお話全体につながってきそうですね。

百合子さん はい、まさにそうですね。 

きょん2 話が尽きないですね。

百合子さん これから外で写真撮るのでしたっけ?

―― はい、このまま森山神社の本殿のあたりで撮らせてください。百合子さんとお話しするのに、とてもぴったりの場所でしたね。本当にありがとうございました。

百合子さん こちらこそありがとうございました!

Note.9

全体の16パーセント
社会学者エベレット・M・ロジャースが提唱したイノベーター理論では、新しい価値(イノベーション)は最初に動き出す16%(イノベーター+アーリーアダプター)から社会全体へ広がるとされる。

今回のプロジェクトにあたって、葉山を拠点に活動する30名をこう位置付け、事前に百合子さんにも伝えていました。


全体の2割が変化(イノベーション)を生み出す
1940〜60年代、ロジャースが農業・医療・教育など多分野の縦断調査を再分析し、採用時期の分布から導いた実証モデル。ハチ、アリ、腸内細菌など、自然界の生態系モデル(2:8の法則)とも重なり合う。
先行層
イノベーター(Innovator) 2.5%
アーリーアダプター(Early Adapter) 13.5%

中央層
アーリーマジョリティ(Early Majority) 34%
レイトマジョリティ(Late Majority) 34%

保守層
ラガード(Laggards)16%


フラワー・オブ・ライフ
同じ大きさの円が、中心から放射状に重なり合いながら広がっていく幾何学図形。古来、生命の生成構造、宇宙の秩序、意識の拡張プロセスの象徴として用いられてきた。


ホームページ
大野百合子公式サイト アイユニティ
https://www.ohnoyuriko.com


催眠療法、ヒプノセラピー
催眠状態に入り、潜在意識の奥にある様々な記憶(「前世」「幼少期」など)にアクセスし、過去の体験を再構成することで悩みや課題を解決に導く。


プラーナヤマ
ヨガの根本的な教えの一つ。呼吸をコントロールすることで、生命エネルギー(プラーナ)を整える技法。

マントラ
真言ともいい、特定の音や言葉を繰り返し唱えることで、脳波を下げ、深い瞑想状態に入ることを目的にしている技法。