nowhere HAYAMA

はじまりは「対話」でした。

2020年。
コロナのパンデミックのさなか、
葉山の小さなカフェで月に一度、対話がはじまりました。

テーブルの真ん中に、
薪をくべるように言葉を置いていく。

言葉が重なり合うことで、
ゆらゆら揺れる炎のように意味が立ち上がり、
みなでその温かさを共有する。

それは、目には見えないけれど、
僕たちの内面のありようを少しずつ変えていく時間でした。

やがて、ここから一冊の本が生まれ、
そこからさらに対話は続き、
少しずつ出会いが広がり、つながりが生まれ……、

そのなかで耳にしたのが、
「葉山町制百周年」という言葉。

100年を超えて、次の風景へ

このまちが生まれてから100年。
それは、過去を振り返るための節目ではなく、

「次の100年」をどう生きるか?
未来(これから)を思うための起点かもしれない。

そんな思いをいだきながら、
葉山で出会った人たちと対話を重ね、言葉を重ね、
その一つ一つを記録していく。

それが、このプロジェクトの出発点でした。

対話は、地図になる。

2年あまりのあいだに出会ったのは、
葉山にゆかりのある30人の皆さん。

対話を通して立ち上がってきた
一人一人のコア(=願い)が重なり合った時、

「ひとりの声」が、「みんなの思い」へと変わっていく。

見えている景色は違っていても、
そこではふっと、同じ風が吹いているかもしれない。
違う言葉を使っていても、
どこかでおなじ夢を見ているのかもしれない。

100年という時間の先端に立ちながら、

どこにもない(no-where)、
でも、ここにある(now-here)、

そんな「いま」に感謝しつつ、
「次の100年」の地図、
一人一人の物語が重なり合う、
関係性(つながり)の風景をつくっていけたらうれしいです。


●わたしたちが目指していること

  1. 30人の対話を通して、さまざまな視点から葉山を描き、ガイドブックの向こう、暮らしの手前にある「余白」をわかちあう。
  2. 対話のエッセンスをデータ解析、1000分の1スケールの集合意識(共通の思い・願い)を浮かび上がらせる。
  3. 出会いの呼び水をつくり、つながりを生み出し、対話をさらに深めながら、地域にクリエイティブな磁場をつくりだす。
  4. 葉山〜三浦半島という風土(生態系)を視野に入れつつ、地域モデルとして、環境のなかでの人のあり方を可視化させていく。

  • 「葉山らしさ」という地域モデルの創出
  • 葉山を舞台にした、地域のウェルビーイングの概念化
  • 他の地域・コミュニティへノウハウを転用し、場の創生に寄与する

●制作スタッフ

編集
長沼敬憲(Tissue Style)
長沼恭子(Tissue Style)
https://tissue-style.net

撮影
井島健至

デザイン
二藤部知哉(エンジョイワークス)

協力
高田明子(葉山環境文化デザイン集団)
https://www.hayama-design.org

福田和則(エンジョイワークス)
https://enjoyworks.jp/